ポストコロナの”おもてなし”とは?新しいホテルのカタチ

新型コロナウイルスによって、大きな打撃を受けている北海道内のホテル業界ですが、老舗の大手ホテルチェーンを率いる29歳の若き社長は、ポストコロナを見据えた「新しいおもてなし」でこれからのホテルのカタチを模索しています。      

札幌から車でおよそ1時間。トンネルを抜けると温泉街が迎えてくれます。年間240万人が訪れる「定山渓温泉」です。北海道でも短い夏休みが始まり、客足が戻ってきたようにも見えます。しかし…

カラカミ ホテルズ&リゾート・唐神 耶真人社長「ホテル業界・観光業界は世界的に新型コロナウイルス感染拡大の影響を、一番と言って良いくらい大打撃を受けている」

カラカミ ホテルズ&リゾートの社長、唐神 耶真人(からかみ やまと)さんです。全国11の温泉リゾートやビジネスホテルを展開する29歳の社長です。コロナ前「定山渓ビューホテル」の利用客の比率は、海外2に対して国内8。

全国に緊急事態宣言が出された4月、5月の客室の稼働率は前年の2割まで低下しました。唐神社長は「ポスト・コロナ」を見据え、対面を前提にする「おもてなし」の見直しを始めました。

カラカミ ホテルズ&リゾート・唐神 耶真人社長「お客さま対応の絶対的な正義、大切にしなければならないこと、常識のようなものとして、人間によるおもてなし、手厚いサービスというところが、この業界全体の当たり前だった。今回の新型コロナウイルス蔓延によって、必ずしも正義ではなくなってしまった」

これから、客の行動様式が変わり「人によるおもてなしを希望する人」と、「希望しない人」が共存する時代になると見ています。

カラカミ ホテルズ&リゾート・唐神 耶真人社長「我々ホテル事業者としては、お客さまに2つの選択肢を用意する。お客さまに選択肢を提供するということを聞くと、今までもそうじゃないかということもあると思うが、もう少し深い意味がある。今までのサービス業界において、”いいサービス=人間のおもてなし”というのが常識的にあったので、語弊を恐れずに言うと、サービスの押し付けも多々見受けられたと、我々も考えている」

対面せず、客が求める時に必要なサービスを提供する。そのキーワードが「デジタル化」です。

カラカミ ホテルズ&リゾート・唐神 耶真人社長「今まで人間がやっていたことを、いかにデジタライズして、お客さまが必要な時に必要な分だけ、手に入れられるようにシステムを組んでおく。準備がこれからのおもてなしの必要な条件になってくると考える」

デジタル化を進め、接触を減らしながら、サービスの質の向上も目指す考えです。さらに、緻密な感染対策で、安全性もアピールします。

メインレストラン「ロイヤルグランシャリオ」は高級感を前面に、7月、リニューアルオープンしました。

入り口にある、謎の部屋。その正体は…

感染防止を徹底するため、この部屋を通るだけで全身が消毒できる「クリーンゲート」です。

ゲートを出ると、手の消毒装置が設けられています。足元にあるマットでは、スリッパも除菌することができます。

カラカミ ホテルズ&リゾート・唐神 耶真人社長「消毒液を入り口に置こうという意見があったが、それだけで大丈夫なのかと。お客さまは手だけを使うわけではない。全身だろうと。消毒された空間を一度通過してもらうだけで、手足だけではなくて、全身を消毒殺菌をしたほうがいいのではないかという中で”カラカミクリーンゲート”を独自に作った」

対策は、これだけではありません。食事をするお客さんに手袋が配られるほか…

ビュッフェ形式では当たり前だった共用トングは、一度使ったら使用済みの箱に入れます。

料理も小皿や一口で食べられるピンチョススタイル。ご飯や味噌汁、スープは、スタッフが取り分けます。

宿泊客「食べ物が使用済みトングと未使用トングに分けられているのは凄いなと。 ここまでしっかりしてくれると安心して利用できる」

カラカミ ホテルズ&リゾート・唐神 耶真人社長「世界的に新型コロナウイルスの感染拡大の影響で、混沌とした世の中。経済的にも精神的にもつらい時期が続いているが、ポストコロナにおいても、人間の基本的な欲求ですね、おいしいものを食べたいとか、疲れた体を癒したいとか、大切な人といい時間を過ごしたいとか。根本的な欲求っていうのは、新型コロナウイルスの前も後もこの先もずっと変わらない」

コロナ疲れの今こそ、身も心もくつろげる癒しの空間を提供したい。8月、半世紀以上、親しまれてきた会社の名前を変えました。そこには「ポスト・コロナ」を見据え、時代が求める「新たなサービス」を創り出す覚悟が込められています。

《取材メモ》

ポストコロナは、これまでの常識を変える。簡単そうだが、これがとても難しい。「人間のサービスが良いサービス」とのこれまでの常識を変える若さ、実行力が、新しい時代の付加価値を創り出すのかもしれない。コロナ前までの水準に戻るには、2~3年かかるとも言われる。650室ある「定山渓ビューホテル」も3密対策で250室に制限。まず感染対策を進めながら、道内、国内、海外の客の順に回復を待つ。その間、「非接触型」「非対面型」サービスのニーズが高まるとみられるため積極的にIT化を進めながら、おもてなしの質も高めたいと唐神社長は、話していた。   



「定山渓ビューホテル」

場所…北海道札幌市南区定山渓温泉東2丁目

電話…011-598-3223(代表)


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