発信!民謡「ネットライブ」芸能事務所の苦悩と感動

札幌市東区の芸能事務所「エゾンミュージック」が、今月から、民謡など邦楽の生演奏のネット配信を開始した。この新しい試みには、「やむにやまれぬ事情」と「大きな感動」があった…。

社長の新田昌宏さんは、例年なら月の半分は民謡の公演のため道内各地を飛び回っている。しかし…新型コロナの流行で今年は3月から公演中止が相次いだ…。「歌う場所がほしい」…新田さんは意を決して、事務所の中にスタジオを自作した。民謡の生演奏をネット配信することを思いついたのだ。札幌のプログラマーの協力を得て、独自の配信システムを作った。

6月半ば。配信2回目のステージに立つのは、期待の新人、井上つよしさん。HBCでは高校時代のつよしさんをドキュメンタリー番組に描いている。

最初に入った苫小牧市内の高校で教師と衝突したつよしさんは、1年遅れで余市町の北星余市高校に編入した。中退や不登校を経験して全国から集まった生徒たちと、2年あまりを過ごした。

北星余市を卒業した翌年の秋、つよしさんはエゾンミュージックの一員として、プロの道を歩み始める。デビューCDも発売した。「さあ、これから!」というときに…コロナ禍…。「歌いたくてたまらなかった…」と話すつよしさんの「ネットライブ」は、熱気に満ちていた。

慣れない配信作業に悪戦苦闘していた新田社長は、無事にライブを終えた後、「ほっとした。普通の公演の方がよっぽど楽」と苦笑した。しかし、ネット配信に「手ごたえを感じた」とも話す。

「ネットなら北海道の民謡を海外にも発信できる。また配信だけではなく、高齢者施設などと結んで双方向のライブもやってみたい」と夢を膨らませる。新型コロナ禍でやむを得ず始めた民謡ネットライブ。その思わぬ可能性を、エゾンミュージックの演奏家たちは実感し始めている。

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エゾンミュージックHP


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