「コロナ禍で中止やキャンセル…山岳ガイドの『登れない夏』」

例年であれば、本格的な夏山シーズンが始まる6月。プロの山岳ガイドは多忙を極める時期だ。しかし今年は…登山の中止やキャンセルが相次いでいる。新型コロナ禍は、北の山々の風景に、そしてガイドの暮らしに、甚大な影響を与えていた。

江別市に住む山岳ガイド、森下亮太郎さん(43)は、ヒマラヤの未踏峰に登頂した経験もある。全国に常連客がいるが、緊急事態宣言を受けて4月、5月の春山登山をすべて中止にした。

森下亮太郎さん「収入はゼロです。6月からのハイシーズンに期待したんですけど、客足が戻らなくて…結局6月のツアーも中止にしました」

山の中は清浄な空気に満ちているが、移動の車やテントの中では「3密」の恐れがある。また常連客の中には高齢者も多く、緊急事態宣言下では運動不足に陥りがちで、「山に登る気力が失せた」と漏らす客もいた。今年は7月から9月まで日高山脈の山小屋の管理業務を請け負い、その収入も見込んでいたが、入山禁止が決まって業務は消滅…。3人の子供がいる森下さんは、収入減に頭を抱えていた。

森下さんは夏山シーズンが始まる前に必ず、20張あるテントをすべてチェックする。今年も準備万端だが…登れない…。

森下さんが自宅の庭で、ツアー客に好評だというカレーライスを作ってくれた。それを頬張りながら、ポツリとつぶやく…「山で食べたいな…」。

6月上旬。森下さんが車にたくさんの荷物を積み込んだ。しかし、向かうのは山ではない。河川調査の補助の仕事で、上富良野町の現場に入るのだ。一か月近く帰って来られない。森下さんは出発時間のギリギリまで子供たちと遊んでいた。

妻の玲子さんは、「子供たちは寂しいだろうけど、自分たちのペースでやるしかないので」と笑顔で送り出す。

7月からは登山ツアーを実施するが、キャンセルも相次いでいて、先行きは不透明だ。

山岳ガイドの「登れない夏」を見つめる。

関連情報)

森下さんの会社「ハローポーター」HP


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