2004年に本拠地を札幌ドームに移してから“道民球団”として定着した北海道日本ハムファイターズ。今や観客動員200万人を誇る球界屈指の人気球団です。そのファイターズが打ち出したボールパーク構想は、“世界がまだ見ぬ夢の球場へ”というスローガンのもと、野球ファンだけでなく「地域創生」という視点でも道内外から多くの関心を集めています。地域課題を視聴者と共に考える、今日ドキッ!トークライブ「こちらHBC報道部」。今回は、ボールパーク運営会社と北広島市のキーパーソン2人が計画の進捗状況と今後の課題について生トークしました。(2020年6月22日)
【出演】
前沢賢さん…ファイターズ スポーツ&エンターテイメント取締役
川村裕樹さん…北広島市企画財政部長
森創一郎…HBC報道部記者
堀啓知…「今日ドキッ!」キャスター
堀:ファイターズが北海道に移転してきた当時、球団はどんな状況に置かれていましたか。
前沢:当時は観客が少なく「これは大変だな」と不安に思いました。そんな中、駒大苫小牧高校が夏の甲子園で優勝し道内の野球熱が盛り上がりました。これにはファイターズも大いに助けられました。そのころから藤井社長(当時)が言っていた“やったことのないことをやる”という風土が定着したと思います。
(写真…ファイターズ スポーツ&エンターテイメント取締役 前沢賢さん)
堀:札幌ドームから本拠地を移転させる狙いは?
前沢:私どもは札幌ドームを毎年、1年契約で借りています。これまで札幌ドームと話してきたのは、「毎年の契約ではお互い成長できない、フランチャイズ契約で5年とか10年に切り替えませんか」と。しかし提案は受け入れられず、次のステップに踏み切った形です。
川村:私たちは人口減少を見据え、ボールパークを核にした街づくりを目指していきます。ボールパークができることで、北広島市だけでなく周辺市町村にも可能性が広がると思います。
森:東京オリパラが開催決定した2013年は、スポーツ産業界にとって転換点になります。スポーツを通じた地域と経済の活性化を目的にスポーツ庁が発足するなど、国はスポーツビジネスを後押しする環境整備に着手しました。
(写真…北広島市企画財政部長 川村裕樹さん)
堀:新型コロナの猛威で計画の見直しは?
前沢:「ニューノーマル」への対応は議論していますが、計画の変更はありません。もともと「エスコンフィールド」はかなりゆったりした作りです。札幌ドームと比較しても延床は1.25倍の広さですし、収容人数は札幌ドームより少なくゆったりした空間が保たれています。
川村:ボールパークの活用をめぐっては、北広島市と周辺の自治体が連携して北海道のシンボルをみんなで作ろうと話し合っています。来場者をどう街に周遊させるか、ボールパークと並行して街を活性化させていこうと動いています。
前沢:災害時にグラウンドは、寝泊まりできる一次避難所としても想定しています。
川村:ボールパークは札幌や空知の避難拠点として、また新千歳空港が閉鎖されたときの利用客の一時休憩所など、いろんな活用の仕方があると思います。
前沢:私が絶対やりたいのは、子どもたちの無料化です。高齢者もできれば無料にしてお孫さんと会える機会が増えればといいなと。野球以外の楽しみがいくつもあるのがボールパークだと思うので、野球への敬意を忘れずに、冒険をしていかないと球界やスポーツ界が衰退していくのではないかと思っています。
川村:多様な人を呼ぶこむ仕掛けをつくりたいです。たとえば市民が毎日ボールパークに出かけることによって、歩く習慣がついて健康になれば医療費の削減にもつながります。
森:今の北広島駅からボールパークまでは約1.5キロ、歩いて20分かかります。
前沢:北広島駅からはシャトルバスの運行を想定していますが、道内外のバス事業社数社から声をかけていただいています。
堀:新しい駅は請願駅ということで設置費用は北広島市が負担することになりますね。
川村:費用負担はこれからの交渉です。新しい駅は野球開催日だけでなく普段も利用できます。20年、30年先の市民からも「あってよかったね」と思われる駅になると思います。
(左…「今日ドキッ!」キャスター 堀啓知 右…HBC報道部記者 森創一郎)
川村:理想はたくさんありますがやってみないとわからないこともまだたくさんあります。しかし北広島にできてよかったなと思われる施設を作ることが我々の命題だと思っています。引き続き頑張っていきます。
前沢:10年後、20年後にできて良かったと言っていただけるように粉骨砕身、精進してまいりますので、ぜひ温かい目で見守っていただくようお願いします。
堀:私たちも道民に響くボールパークができることを願っています。ありがとうございました。
※トークライブの模様はHBC無料動画配信「もんすけTV」でもご覧になれます。
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