離婚後の子育て…“面会交流”の取り組み

日本ではおよそ3組に1組の夫婦が離婚しています。親の離婚は子どもにも大きな影響を与えます。離婚した両親が離婚後の子育てにそれぞれどう関わっていくのか…サポートする施設を取材しました。

職員から子どもの健康状態など説明を受けているこの男性。子どもを迎えにきたわけではありません。

男性「離婚してから本人同士が、直接連絡をとったり会ったりしていない。施設がなければ子どもと会えない状況だった」

札幌にある一時保育施設「キッズルームなるなるの木」。実は、こちらでは預かり保育の他に、離婚後に親権者ではない親が子どもに会い、交流を図る仕組み=「面会交流」をサポートしています。

キッズルームなるなるの木・北川仁美さん「離婚した相手と、どうしても接点を持ちたくない人が多い。大事なのはお父さんとお母さんということではなく、父性愛の要素と母性愛の要素が同じくらい大事」

特に離婚後、元夫婦間で直接連絡を取り合うのが難しい場合は、職員が両親の間に入り、日時などを決め、元の夫婦が直接会わずに、子どもが両親の間を行き来します。

この男性も、妻と離婚後、直接連絡を取り合うのが難しい状況が続いているため、施設を利用して月に1度、小学生の子どもに会っています。

親権を持たない男性「クリスマスが近いのでプレゼントを選びにおもちゃ買おうと」

子ども「うれしい」

面会交流を通じ、子どもとの時間を大切にしています。しかし、親権をめぐっては難しい実情があります。日本では「単独親権制度」がとられていて、離婚後どちらか片方の親が親権を持つことになっていますが、親権を持たない親が子どもに会わせてもらえないケースが多いと言われています。2019年11月には、離婚した親のどちらかしか親権を持てないのは憲法違反だとして国を相手取り、「共同親権制度」を求め集団提訴が行われました。

一方、離婚後に親権者となった女性。この日は、札幌の一時保育施設「なるなるの木」で、子どもを元夫に会わせる面会交流の日です。

親権を持つ女性「第三者が入ってだと安心して子どもを元夫に会わせられる」

施設の職員が子どもを迎えに来てくれるので、元夫と顔を合わせる必要はありません。久々の自分だけの時間ですが、やはり頭に浮かぶのは子どもの顔です。

親権を持つ女性「子どもにロウソクを買った。子どものことをずっと考えている。自分のものはなかなか買えない」

施設で元夫と子どもが遊んでいるのを待つ間、しきりに携帯電話を気にして、落ち着かない様子の女性。実はある不安が頭をよぎっていました。

親権を持つ女性「子どもが連れ去られるのではないか、変なことをされるのではないかと。夫婦の時は、第三者には見せない顔を家族の中では出していた。暴力的な支配があったのでとても不安」

しかし、不安はあるものの、子どもにとっては父親。会うことも必要だと考えています。

親権を持つ女性「子どもが父親に会いたいときに会えたらいいと思う。自分の父親ということは、自分のルーツの一つ。会いたいときに会える環境が一番」

そんな、親権を持つ親のため「なるなるの木」では、こうした不安を少しでもなくそうとしています。

キッズルームなるなるの木・北川仁美さん「相手方からの伝言を伝える場合も、メールをそのまま送らないように気を付けたり、なるべく笑顔で接して、安心してもらえるよう配慮している」

保育士の見守りのもと、施設の外で面会交流を行う「付き添いサポート」など、あらゆる不安を抱える親に寄り添う体制が整えられていています。中でも、特に大切に考えているのが親子との距離感です。

キッズルームなるなるの木・北川仁美さん「やっと会えるという喜びで涙を流す親もいる。親だけでなく社会全体で子どもたちを育てて、明るく社会に送り出す気持ちが大事」


子ども目線で考えた時、何が必要なのか、「なるなるの木」はこれからも親子を支えていきます。


キッズルームなるなるの木の詳細はこちら。

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