お正月の必需品「かまぼこ」の工場裏側に密着

お正月の必需品で、魚の味わいと弾力が決め手といえば…そう「かまぼこ」。北海道小樽市にある小さな工場で奮闘する4代目の跡取り、そして工場のウラ側をご紹介します。

年の瀬を迎えた小樽にある、今が最盛期の小さな工場。大正3年創業、2019年で105年の老舗「栗原蒲鉾店」です。年末年始の食卓に欠かせない「かまぼこ」づくりが急ピッチで行われています。

栗原蒲鉾店では、スケトウダラ、シログチ、宗八ガレイなどを原料に、板付きかまぼこや、角焼、揚げなどおよそ30種類のかまぼこを製造しています。それぞれの素材をいかすブレンドで生み出される商品は全国の品評会でも、高い評価を受けています。

栗原の“かまぼこ”の中でも、最高級がこちらの「まほろば」(1200円)。高級魚のシログチ(東北以南で漁獲され、練り製品に使われる高級魚)とスケトウダラを使い、弾力はもちろん、風味、味わいが違います。注目なのは「でんぷん」を使っていないこと。でんぷんを使うと簡単に弾力は出せますが、なめらかな食感は失われてしまいます。そのため、でんぷんを使わずに、水分量を微妙に調整し練り上げることで、独特な弾力のかまぼこに仕上げているのです。

栗原蒲鉾店の3代目社長・栗原康さんが「無でんぷん」にこだわった理由。それは、小田原で創業150年を超える「鈴廣かまぼこ」で作られ、数々の賞を受賞し日本一といわれるかまぼこを食べた衝撃からでした。

栗原蒲鉾店3代目社長・栗原康さん「なんだこれはっていう感じだった。ここにはどうやってもかなわない…。最初はどう作ればそうなるのか、という衝撃を受けた。そのあとにかまぼこの理論を勉強しました」

使う魚のすり身、水分量、そして、でんぷんの量を少しずつ減らしながら、試作を重ね、栗原ならではの無でんぷんのかまぼこに辿り着きました。

同じく小田原の「鈴廣かまぼこ」へ修業に行ったのが、息子の丈侃(たけなお)さんです。大学卒業後、小田原で2年間かまぼこづくりを学び、2019年の春、4代目の跡取りとして小樽に帰ってきました。丈侃さんが小田原で学んできたのが「擂潰(らいかい)」という作業。魚をすり潰して練り上げ、特有の弾力を作り出す、食感を左右する大切な工程です。

栗原蒲鉾店4代目跡取り・栗原丈侃さん「小田原の板付きかまぼこは弾力とか後味が強くてすごいの一言。小田原にいた頃より、自分の仕事の種類も増えて、一つでも多くのことができるように頑張っている」

地元客で賑わう、小樽の南樽市場では、毎朝、社長自ら「揚げかまぼこ」をつくります。この日、揚げかまぼこ用のすり身を作る「擂潰(らいかい)」の作業をしたのは息子の丈侃さんでした。そのすり身を、社長・康さんが水分量や氷でさらに調整していきます。

「ちょっと硬めに作ってほしい」という社長のオーダー通りに仕上げてきた丈侃さんのすり身で作ったのが、この揚げかまぼこ「つまみ揚」(100g・180円)です。

たっぷりのキャベツにブラックペッパー、すり身、イカを混ぜ合わせ、パン粉をつけて揚げた「イカペッパー」(130円)も新登場。社長のアイデアが詰まった新商品です。コショウがピリッときいた新感覚のお好み焼き風で、キャベツと揚げかまぼこの食感がたまりません。

まだまだ修業中の丈侃さんが跡取りになると決心したのは、3代目の父が作ってきたかまぼこの味でした。

4代目跡取り・丈侃さん「自分の家のかまぼこもおいしくて、そのかまぼこの味が好きだから、ここに帰ってきたのは間違いない。それが一番大きいです」

3代目社長・康さん「若いころから腹くくってかまぼこ屋になると動いてくれたのは、本当に幸せなこと」

工場では「板かまぼこ」づくりが佳境を迎えています。保存料などは使わず、塩やミリンで味付けされたかまぼこのすり身は、機械で成型していきます。12月は通常の10倍の量を製造するため、機械が中心。その忙しい中、特別に職人技を見せてもらいました。

よく練ったすり身を、かまぼこ板に乗せて成型。丁寧に何層にも重ね、初日の出のような半円形を作りだすのはまさに職人技です。成型されたかまぼこは、ひとつひとつ型に入れ、低温と高温で蒸しあげていきます。

こちらも、お正月に欠かせない大人気商品「だて巻き」(1本900円)。すり身と卵がベースで、ほのかな甘さと魚の味わいが感じられる、栗原ならではの「だて巻」です。

その「だて巻」を丈侃さんが社長に見守られながら焼いていきます。鉄板の特徴と火加減、そして焼き具合は、自分の感覚で身につけるもの。焼き色を見ながらの火加減、素早い作業が食感に影響するんだそう。こうして、ふわふわに焼き上げた生地はひとつひとつ手作業で巻いていきます。

4代目跡取り・丈侃さん「(どのような職人になってかまぼこづくりがしたい?)変えてはいけないところもあるし、今のまま満足してはいけない。そこが難しいところ」

3代目社長・康さん「材料やつくる条件も変化していく。一歩ずつでも前に出ないと」

 

4代目にも受け継がれていく伝統の味。お正月の食卓を彩るため、大晦日まで忙しい日々が続きます。栗原のかまぼこで、お正月を迎えてみてはいかがですか?



「栗原蒲鉾店 本店」

住所…北海道小樽市入船1

Tel…0134-22-2566

時間…(月~土)午前9時半~午後7時

   (日・祝)午前10時~午後6時

休み…年中無休


「栗原蒲鉾 南樽市場店」

住所…北海道小樽市新富町

Tel…0134-23-4818

休み…日曜


「イトーヨーカドー琴似店」

住所…北海道札幌市西区琴似2-1

Tel…011-616-0115


「きたキッチン オーロラタウン店」(26日から、かまぼこ・伊逹巻き発売)

住所…北海道札幌市中央区大通西2丁目(さっぽろ地下街オーロラタウン小鳥の広場向い)

Tel…011-205-2145

時間…午前10時~午後8時


「フーズバラエティ すぎはら」(24日から発売)

住所…北海道札幌市中央区宮の森1-9

Tel… 0120-202447(フリーダイヤル)

時間…午前10時〜午後7時半

休み…日曜(祝日不定休)


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