東京五輪新種目「3×3」!バセドー病と闘う主将

東京オリンピックの正式種目にも選ばれ、世界で人気を集めているのが、3人制バスケットボール「3×3」です。病気が原因で一度はバスケットから引退した男性が、いまこの新しいスポーツのプロ選手として、北海道で活躍しています。

金曜日の夜。中学校の体育館に人が集まってきました。2か月ぶりの本格練習です。

祐川良太(すけがわ)さん。北海道が拠点の「3×3(スリーエックススリー)」のプロチーム「アシル」のキャプテンです。アシルとは、アイヌ語で「新しい」。バスケットで、北海道に新たな風を吹き込みます。

アシルキャプテン・祐川良太さん「1対1がやっぱり多いので、もちろんチームプレーもそうですけども、自分の力でどうにでもできます。自分の魅力をより引き出せる競技かなと思います」

3人制バスケットボール「3×3」は、若者文化のストリートボールがルーツ。バスケットコートの半分の広さで、「攻め」と「守り」が一瞬で変わるハイスピードな展開が魅力です。

5人制バスケチーム 内野 真明さん「展開が5対5よりも早くて、息つく間もないくらいなので、かなり集中力も使います。休めない分、全力でプレーしないといけないのが大変です」

国際バスケットボール連盟が、世界で通用する共通のルールを定め、2007年「正式競技種目」になりました。そして、東京オリンピックの正式種目にも選ばれた今、注目のスポーツです。

アシルキャプテン・祐川良太さん「3×3は小さい日本人でも海外の選手と戦えるというのを、実際に世界の大会とか日本代表が出場しているのを見て、小さくて動ける日本人でも世界と戦えるというのが魅力的です」

札幌で生まれ育った祐川さん。バスケの強豪=東海大学でプレーし、5人制バスケの実業団「葵プラッターズ」に入団。そして、これから…という時。

アシルキャプテン・祐川良太さん「発覚したのが社会人1年目の時。バセドー病という甲状腺の病気」


甲状腺の病気、バセドー病を患いました。祐川さんは、息切れや体重の減少などに悩まされました。

アシルキャプテン・祐川良太さん「このとき(大学4年生)は、バセドー病とは分かっていなかったのですが、明らかに自分の体調が悪いと分かっていて体重も減っていたので、もっとご飯食べて体重増やしてとか、体に無理せず頑張ってくださいと書いてありました」


体調が回復した数年後、先輩の誘いで出会ったのが「3×3」でした。

アシルキャプテン・祐川良太さん「はたから見ればハーフコートでゴールが1つで楽なのではと思われるが、むしろ5人制バスケをやっていた人が『3×3のほうがキツいね』というのがほとんど。運動量の違いがあります」

「アシル」は社会人中心のチーム。祐川さんは普段、札幌の会社で営業を担当しています。

アシルキャプテン・祐川良太さん「自分が主に売っているのがデーツやイチジク。売れ行きもデーツは売れています。珍しいというのもあります」

選手生活を支えるのは高校の同級生で、妻の香純(かすみ)さん。2019年の1月には、長女の純礼(すみれ)ちゃんも生まれました。

妻・香純さん「よくパパやってくれているなと思います。この時期に練習できない分トレーニングで個人の能力を高めて、来シーズンに向けて準備を頑張ってもらいたいです」

今も1日1錠、クスリを飲んでいる祐川さん。

同じバセドー病の人たちを励ましたいと、自らの病気の経過をSNSにアップしています。

アシルキャプテン・祐川良太さん「バセドー病と言ってもわからない人が多い。目に見えにくい症状。こうやってプロスポーツ選手としても活動できるし、違った病気を持っている人たちにも力を与えていければと思います」

新型コロナウィルスの影響で、2020年の公式戦はすべて中止に。練習場所の体育館も自由に使えない状況が続きますが、来シーズンを見据えて、黙々と準備を続けています。

アシルキャプテン・祐川良太さん「北海道代表としてチームを作って、北海道・子どもたちから愛されるようなチームにしたいです。ただ強いチームではなく地域貢献活動を行いながらやっていきたいです」

他の競技よりも世界が近い「3×3」。目標は大きく、オリンピック出場です。


《取材メモ》

北海道のプロチーム「アシル」が所属しているリーグは、全90チーム。このリーグには、韓国、タイ、ニュージーランド、インドネシアの4か国のチームも入っていて、世界と戦えるのも3×3の特徴。2020年は新型コロナウイルスで全試合が中止になってしまったが、2021年以降、北海道から世界を相手にする活躍を期待したい。

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